井戸として、住民の貴重な生活用水を得るために利用されてきた石造遺跡。国の史跡に指定されています。
市街地の中にあり、大和井と50メートルほど北西に位置するもう一つの井戸「ぶとら井(ぶとらがぁ)」、その間の通路が残されています。
大和井は周囲約20メートル、高さ約6メートルの大きさで、大小の切り石を円形に積み上げてあります。
穴の底に石敷きの広場が設けてあり、折れ曲がった石段で底のに降りられます。広場の奥部が取水口とされています。
1720年ごろに掘られたと考えられていて、石工技術の高さがわかる遺石造跡です。
隆起珊瑚礁の島である宮古島には川はなく、雨は地下水となって海に流れこみます。
海岸付近などにはその流れが湧き水となって湧き出す箇所があり、「ガー」と呼ばれて、住民の貴重な生活用水として利用されてきました。
伝承によると、大和井は首里王府や薩摩藩から派遣された役人専用の井戸であり、泉にいたるまでに2ヶ所の門があって、水守りもいたとの言い伝えがあります。