隆起サンゴ礁の断層海岸が続く七又海岸の中で、一段と高い60メートルほどの高さがあるムイガー断崖。
その崖下で緑色のきれいな水が湧き出ていて、ムイガーと呼ばれています。
隆起珊瑚礁によってできた島である宮古島の地層は、ほとんどが浸透性の高い琉球石灰岩です。
そのため宮古島には川がなく、地下にある島尻層泥岩が水を受け止め、地下水脈を通り、地上に水が湧き出る場所がいくつもあります。
この湧水地はガーと呼ばれ、生活用水として利用されていました。
石灰岩でろ過された水は、ミネラル分を豊富に含み、個性的な水の色となっています。
ムイガーは今でも水量豊富に水が湧き出ていますが、上水道が整備されるまで、この土地の人々の大切な水源地であり、簡易水道の水源地でした。
かつて崖下で生活用水を汲み、水を持って崖を上るのは、大変な重労働だったことでしょう。
周囲には島へ渡ってきた人々が暮らした生活の場と考えられるいくつもの貴重な遺跡が残っています。
ムイガー断崖の崖上には展望台があり、七又海岸のダイナミックな海岸線を一望する事ができます。